デザインで経済を廻す 
クリエイティブが生み出すビジネス価値とは

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デザインで経済を廻す クリエイティブが生み出すビジネス価値とは

私たちが普段触れるWebサイト、アプリ、広告、パッケージ、店舗空間──これらすべてに「デザイン」が関わっています。
Web制作会社として日々、多くの企業のサイトやアプリ制作に携わる中で感じるのは、デザインは単なる見た目の美しさだけではなく、売上やブランド価値、顧客体験に直結する重要な経済活動であるということです。

企業が自社サイトをリニューアルしたり、ECサイトのUI/UXを改善したりする際、見た目を整えるだけでなく「ユーザーの行動をどう動かすか」「ブランド価値をどう伝えるか」を戦略的に設計することが、ビジネスの成果に大きく影響します。
今回は、パッケージデザインとWebデザインの両面から、デザインが企業や地域経済をどのように動かすのか、具体例を交えながら解説します。

1.デザイン投資は企業価値を押し上げる

企業が広告やWeb制作、ブランドデザインに投資することは、単なるコストではなく、将来の利益を生む資産への投資です。

ブランディングによる付加価値

ロゴやパッケージ、Webサイトの印象は消費者の購買意欲に直結します。
たとえば、Appleや無印良品のデザインは、製品価格の高さを正当化するブランド力を生み出しています。

事例:明治「THE Chocolate」パッケージリニューアル

従来の横長パッケージから、縦型クラフト調パッケージに刷新。視認性と親しみやすさを両立させ、SNS映えも意識しました。結果、年間3,000万個の売上を達成し、消費者の購入行動に大きな影響を与えました。

UXデザインで売上アップ

ECサイトや予約サイトでは、デザインの工夫でユーザーの迷いを減らすことが可能です。
CTAボタンの位置や色、操作フローの改善は、数%のコンバージョン向上でも大きな経済効果につながります。

事例:SBI証券Webサイトリニューアル

ユーザーの利便性を徹底的に分析し、情報整理・ナビゲーション改善を行ったことで、取引口座開設数やオンライン取引量が大幅に増加。デザイン改善が直接的に収益向上につながった例です。

長期的なリピートと信頼

視覚的に整ったデザインや心地よいUXは、ユーザーの信頼を獲得します。
信頼は再購入や口コミ拡散につながり、継続的な売上を生む資産となります。

2. デザインが地域・社会経済を活性化する

デザインは企業だけでなく、地域や社会の経済循環にも影響します。

観光・イベントの魅力向上

施設や街並みの景観、ポスターや案内サインのデザインが、観光客の満足度や滞在時間に直結します。結果として地域内の消費が増え、地域経済を潤します。

ローカルブランドの価値創出

地域特産品のパッケージデザインやWeb販促は、商品の知名度を高め、販路拡大につながります。

事例:昭和産業「オレインリッチ」

アイトラッキングによる消費者視線分析で、ひまわりの視認性が高いことを発見。
パッケージに大きなひまわりを配置した結果、売上は約3倍に向上しました。

事例:王子ネピア「鼻セレブ」

従来の「ネピア モイスチャーティシュ」は印象に残らず認知が拡大しませんでしたが、ブランド名を「鼻セレブ」に改名し、柔らかさを象徴する動物の鼻をパッケージに採用。
売上は10倍以上に増加し、高級ティッシュの定番として定着しました。

3. デザインで消費者心理を動かす

デザインは単なる装飾ではなく、人の行動や感情に影響を与える力があります。

  • 色・形・構図による心理効果
    赤は購買意欲を刺激、青は安心感を与えるなど、心理的影響を意識したデザインは消費行動を後押しします。
  • 情報整理による意思決定促進
    見やすいUIやわかりやすいインフォグラフィックは、判断スピードを速め、迷いを減らします。
  • ブランド体験の最大化
    サービスや製品の世界観をデザインで表現することで、満足度向上やリピート購入を促します。

4. Webリニューアルによる経済効果

Web制作会社としても、デザイン改善による経済効果は非常に身近な成果です。

事例:デアゴスティーニ

紙媒体中心の販売からWebを活用したEC導線へリニューアル。ユーザー行動データをもとに購入導線・カテゴリ構造を改善した結果、EC売上が大幅増加。

事例:SBI証券(再掲)

UI・情報整理の改善で、新規口座開設や取引件数が大幅増。Webデザイン改善が直接的に収益向上へつながりました。

5. デザイン経済の未来

2025年以降、デザインは美しさを超え、経済活動を循環させる役割を持ちます。

  • AIやデータ分析を活用したUX改善で、消費者行動をより効率的に促すデザインが増加
  • デザイン投資が企業の長期利益やブランド価値に直結
  • 地域・文化と結びついたクリエイティブ産業が、経済成長の新しい軸に

デザインは「クリエイティブ」の枠を超え、経済を動かす原動力となるといえます。

まとめ

デザインは美しさだけでなく、行動を生み、価値を生み、経済を廻す力があります。
今回紹介した事例は、デザインが売上・ブランド価値・顧客体験に直結することを証明しています。

Web制作会社として私たちができることは、「単に作る」だけではなく、経済を動かすデザイン戦略を共に考え、成果を生み出すパートナーになることです。
これからのWeb制作やクリエイティブ活動では、この視点がますます求められるでしょう。

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