押さえておきたい!
「構造化データ」の基本と効果
目次
「検索結果の見た目」でクリック率は変わる
Googleで検索をしたときに、通常のタイトルと説明文の下に「レビューの星」や「イベント日程」「よくある質問」が表示されているページを見たことはありませんか?
それらは、「構造化データ」という技術によってGoogleに正しく情報を伝え、検索結果にリッチリザルト(リッチスニペット)として表示されたものです。
構造化データは、Webサイトの見た目を変えるのではなく、検索エンジンに“中身の意味”を伝えるためのコードです。
今回はこの構造化データについて、基本的な仕組みと導入によるメリット・注意点をシェアしていこうと思います。
構造化データとは?
構造化データとは、Webページの情報を“意味づけして整理したデータ形式”です。
通常のHTMLだけでは、「この文章がレビューです」や「これは会社の住所です」といった意味は検索エンジンには伝わりません。
そこで、特別な記述方法を使ってGoogleなどに「この情報は●●ですよ」とタグ付けして伝えるのが構造化データの役割です。
この情報をもとに、Googleはより正確な検索結果の表示や、リッチリザルトへの反映を行います。
Wix、WordPress、Shopify などの CMS を使用している場合、HTML を直接編集できない場合があります。その代わりに CMS に検索エンジンの設定ページがあるか、構造化データの指定ができるプラグインをインストールできる場合があります。CMS に構造化データを追加する手順については検索して調べることができます(たとえば「Wix 構造化データ」や「WordPress 構造化データ プラグイン」で検索)。
https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/intro-structured-data?hl=ja
代表的な記述形式「JSON-LD」とは?
現在、Googleが最も推奨しているのがJSON-LD(JavaScript Object Notation for Linked Data)という形式です。
HTML内の<script type="application/ld+json">
タグ内に記述するだけなので、ページのマークアップと分離でき、管理もしやすくなります。
例えば、「会社情報」の構造化データは以下のようになります:
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"name": "ノキボウ株式会社",
"url": "https://nokibou.co.jp",
"logo": "https://nokibou.co.jp/logo.png",
"contactPoint": {
"@type": "ContactPoint",
"telephone": "+81-3-1234-5678",
"contactType": "customer service"
}
}
</script>
このように、人間には見えない形でページに意味を付与するのが特徴です。
構造化データで何ができる?主な効果と使い道
1. リッチリザルトとして検索結果に表示される
構造化データを正しく設定すると、検索結果が視覚的に強化されます。
たとえば:
- ★評価が表示される「レビュー」
- 商品の価格・在庫が出る「商品情報」
- 質問と回答が見える「FAQページ」
- 開催日や会場が出る「イベント情報」
これらはユーザーの目に留まりやすく、クリック率(CTR)の向上が期待できます。
2. 音声検索・AIアシスタント対応にも有利
GoogleアシスタントやSiri、Alexaなどの音声検索エンジンは構造化データを頼りに情報を抽出しています。
構造化データを整備することは、今後の音声検索・AI時代に備えるための投資でもあるのです。
3. 検索エンジンからの“信頼性”が高まる
構造化データは「このページは何について書いているのか」を明確に示します。
これは、検索エンジンにとっても判断の精度向上につながり、結果的に検索順位に良い影響を与える可能性があるとされています。
※直接的なランキング要因ではないとGoogleは明言していますが、間接的には効果ありとされています。
構造化データの主な種類
以下は、ビジネスサイトやコーポレートサイトでよく使われる構造化データの例です:
用途 | schema.orgのタイプ | 機能 |
---|---|---|
会社情報 | Organization | ロゴ、連絡先、SNS情報などを明示 |
商品 | Product | 商品名、価格、在庫状況など |
レビュー | Review | 星評価やレビュー内容を表示 |
FAQページ | FAQPage | よくある質問と回答を表示 |
記事 | Article / BlogPosting | 公開日、著者名、記事カテゴリなど |
イベント情報 | Event | 開催日、場所、チケットなど |
パンくずリスト | BreadcrumbList | サイト構造を示す(ナビゲーション) |
導入の際の注意点と落とし穴
表示を保証するものではない
構造化データを正しく記述しても、Googleが必ずリッチリザルトに表示するとは限りません。
品質や関連性が不足していると、無視されることもあります。
スパム的な記述はNG
本来の意味とは異なる使い方(例:レビューのないページにレビュー構造を入れるなど)は、Googleのガイドライン違反となり、検索順位に悪影響を及ぼす可能性も。
実装ミスに注意
記述ミスや形式のエラーがあると、Googleは読み取れません。
以下のようなツールでの検証が重要です:
- 構造化データテストツール(Google公式)
- Schema Markup Validator
どのページから構造化データを始めるべき?
初めて導入する場合は、以下のような重要ページから段階的に実装するのが効果的です:
- トップページ →
Organization
(会社情報) - サービスページ →
Product
またはService
- ブログ記事 →
BlogPosting
- よくある質問ページ →
FAQPage
- パンくずリスト →
BreadcrumbList
すべて一度に対応しようとせず、「優先度の高いページからコツコツと」進めるのが理想です。
まとめ
構造化データは、Webサイトの見た目を直接変えるものではありません。
しかし、検索エンジンに「この情報はこういう意味です」と伝えるための大切な設計図です。
ユーザーにとっても検索結果がわかりやすくなり、クリック率の向上や信頼性向上に直結します。
そして、今後の検索体験(音声検索やAI対応)にも備えるためにも、今からの対応が重要です。
「構造化データ=HTMLとは別に考える“Webの言語”」として、ぜひその役割と効果を理解し、実務に活かしてみてはいかがでしょうか。