デザインの修正依頼が曖昧になる理由と
その対処法を考えよう!
目次
ホームページ制作の現場では、こんな言葉を受け取ることが少なくありません。
「なんか違うんですよね」
「もう少しかっこよくしてほしいんですけど」
「高級感を出したいんです」
いわゆる”曖昧な修正依頼”です。
デザイナーにとっては対応が難しい場面ですが、これはクライアントの伝え方の問題ではありません。
実は、そうなってしまうだけの“背景”があるようです。
伝わり方、捉え方で印象は変わってきますよね!
今回はクライアントからの要望を聞き出す方法、ニュアンスを考えていきましょう!
なぜ修正依頼は曖昧になるのか
① 視覚情報を言語化するのは難しい
デザインは視覚で体験するものです。色・余白・フォント・レイアウト、それらが組み合わさって「雰囲気」として伝わります。
多くのクライアントはデザインの専門家ではないため、感じた違和感を言葉に変換するのが苦手です。「なんか違う」という表現は感覚的な批判ではなく、違和感の存在を一生懸命伝えようとしている言葉です。まずそこを理解するところから始めましょう。
② ゴールが共有されていない
制作のゴールが揃っていないと、フィードバックは感覚論になりがちです。
たとえば「良いホームページを作りたい」という同じ目標でも、
- 売上を増やしたいのか
- 採用を強化したいのか
- ブランドイメージを整えたいのか
によって、「良い」の基準はまったく変わります。
ゴールが曖昧なまま進むと、議論は「好みの話」になって着地しにくくなります。
③ 抽象語は人によってイメージが違う
修正依頼でよく出てくる言葉があります。
- 「高級感を出したい」
- 「安心感のあるデザインに」
- 「もっと誠実な印象で」
これらは正解がひとつではありません。「高級感」といっても、黒×ゴールドのラグジュアリーなイメージを思い浮かべる人もいれば、余白を活かしたシンプルな印象を想像する人もいます。
同じ言葉を使っていても、頭の中のビジュアルはバラバラ、ということが起きやすいのです。
曖昧な修正依頼への対処法
① まず「翻訳するフェーズ」と捉え直す
「なんか違う」と言われたとき、自分のデザインを否定されたと感じるのは自然なことです。ただ、ここで大切なのは「違和感の正体を一緒に探すフェーズに入った」と捉え直すことです!
そのうえで、具体化するための質問を投げかけてみましょう。
- 「どのあたりが一番気になりますか?」
- 「色味でしょうか?レイアウトのバランスでしょうか?」
- 「競合のサイトと比べて、どんな印象の差がありますか?」
焦らず、一緒に掘り下げていく姿勢が、クライアントとの信頼関係をつくります。
② 抽象的な言葉を分解する
「高級感を出したい」と言われたら、そのまま受け取らずに分解してみましょう。
- 「落ち着いた印象ですか?それとも華やかな方向ですか?」
- 「価格帯の高さを伝えたいイメージでしょうか?」
- 「参考にしているブランドやサイトはありますか?」
言葉をいくつかの方向に分けていくと、お互いのイメージが少しずつ重なり始めます。
この「分解」の習慣は、ヒアリング段階で早めにやっておくと後の修正工数がぐっと減ります。
③ ビジュアルで共通認識を作る
言葉での説明より、参考事例を見せ合う方が早い場面も多くあります。
おすすめの方法はこちらです。
- テイストの近いサイトを3〜5件提示する
- 「好き・普通・嫌い」で評価してもらう
- その結果をもとにトーンやイメージを言語化する
「視覚で共有してから、言語で確認する」という順番を意識するだけで、抽象的な言葉のすれ違いをかなり減らすことができます。
④ 設計の意図をロジックで説明できるようにしておく
修正依頼を受ける前段階として重要なのが、「なぜこのデザインなのか」を説明できる状態にしておくことです。
たとえば、
- 「ターゲット層に合わせて彩度を抑えています」
- 「CTAを目立たせるために背景をシンプルにしています」
- 「表示速度を考慮して動画は使っていません」
このように根拠を言葉にできていれば、議論は「感覚」から「ロジック」に移ります。
感覚の話は平行線になりやすいですが、ロジックに基づく議論は着地点を見つけやすくなります。
⑤ 「このサイトの目的は何か」に立ち返る
議論が迷走してきたと感じたら、原点に戻りましょう。
「そもそも、このサイトは何のためにあるのか」
この問いに立ち返ることで、議論の軸が「好みかどうか」から「目的を達成できるか」にシフトします。ゴールが揃っていれば、デザインの良し悪しを感覚ではなく成果で判断できるようになります。
修正依頼は、デザインを磨くきっかけ
曖昧な修正依頼はストレスに感じることもありますが、見方を変えると、認識のズレに気づけるタイミングでもあります。
設計を見直して、提案の精度を上げるチャンスです。
本当に怖いのは、何も言われないまま公開されて、成果が出ないことではないでしょうか。
修正依頼が来るということは、クライアントがゴールに向けて真剣に向き合っている証拠。そう捉えられると、制作現場のストレスはずいぶん変わってくるはずです。
まとめ
修正依頼が曖昧になる主な理由は3つです。
- 視覚情報を言語化するのが難しい
- ゴールが共有されていない
- 抽象的な言葉はイメージに個人差がある
対処法としては、違和感を一緒に翻訳・分解していく姿勢を持つこと、参考事例でビジュアルの共通認識を作ること、設計の意図をロジックで説明できる状態にしておくことが有効です。
「なんか違う」を恐れず、その正体を一緒に探していく関係性が、クライアントとの信頼につながります。修正依頼をデザインの質を上げるプロセスのひとつとして捉えられるようになると、制作の進め方も変わってくるはずです!