アクセス解析のはじめ方
GA4とサーチコンソールで「見る数字」を絞り、改善につなげる
目次
ホームページを公開したあと、「どれくらい見られているのか」「問い合わせが増えない原因は何か」と考えたことはありませんか。その答えを探す手がかりが、アクセス解析です。
ただ、GA4の画面を開くと、数字や用語が多く、どこを見ればよいか迷いがちです。本記事では、最初に決めておくこと、見るべき数字の絞り方、毎月の見方、2026年に押さえたい注意点を解説します。
解析を始める前に決める3つのこと
ツールを入れる前に、次の3つを決めておくと、数字が意味を持ちます。
1. サイトの目的
問い合わせの獲得、採用応募、商品の購入、資料のダウンロードなど、サイトの目的をはっきりさせます。目的が決まっていないと、どの数字が「良い」のかを判断できません。
2. ゴール(成果の定義)
目的に対して、「何が起きたら成果とするか」を決め、ツールで計測できるようにします。GA4では、以前「コンバージョン」と呼ばれていた重要な行動を、現在は「キーイベント」と呼びます。例として、問い合わせフォームの送信完了、電話番号のタップ、資料請求ボタンのクリックなどが挙げられます。
3. 見る人と、見る頻度
担当者、報告先、確認の頻度(たとえば月1回)を決めます。毎日数字を眺めるより、期間を決めて見るほうが、変化の意味を捉えやすくなります(これは当社の考え方です)。
無料の2つのツールは、役割が違う
アクセス解析では、主にGA4とSearch Consoleの2つを使います。どちらも無料で、東京都が公開しているウェブサイト解析の資料でも、この2つが使用ツールとされています。
| Search Console | GA4 | |
|---|---|---|
| 主な役割 | 検索結果での見え方を知る | サイト内での行動を知る |
| 分かること | 検索結果への表示回数、クリック数、検索クエリなど | 流入元、閲覧ページ、エンゲージメント、キーイベントなど |
| 向いている問い | 「検索で見つけてもらえているか」 | 「訪れた人は、サイト内でどう動いたか」 |
Search Consoleのパフォーマンスレポートでは、Google検索などで、サイトへのリンクやコンテンツが、どの程度見られたり、操作されたりしたかを確認できます。 一方、GA4では検索キーワードを測定できないため、キーワードを知りたいときは、Search Consoleの検索パフォーマンスを使います。 2つを連携させておくと、分析が進めやすくなります。
数字は「集客・行動・成果」の3層で見る
指標は数え切れないほどあります。そこで、サイトを訪れる流れに沿って、3つの層に分けて考えます。
| 層 | 問い | 主に使うもの |
|---|---|---|
| 集客 | どこから、どうやって来たか | Search Console、GA4の流入元 |
| 行動 | 来た人は、サイト内で何をしたか | GA4のエンゲージメント、ページ別の数字 |
| 成果 | ゴールは達成されたか | GA4のキーイベント |
最初に押さえたいGA4の用語
- セッション: サイトを訪れた回数です。
- アクティブユーザー: サイトを利用したユーザーの数です。エンゲージメントのあったユーザーを数える考え方で、サイトにアクセスしたすべてのユーザーを数える「総ユーザー数」とは異なります。
- エンゲージメント: 10秒以上の滞在、2ページ以上の閲覧、キーイベントの発生のいずれかを満たした場合に、カウントされます。 10秒の基準は、管理画面から変更できます。
- 平均エンゲージメント時間: サイトを実際に見ていた時間の平均です。
以前のユニバーサルアナリティクスで使われた「PV」「UU」といった指標とは、定義が異なる場合があります。過去の数字と単純に比べないようにしましょう。
最初の1週間でやっておく設定
数字が正しく取れていないと、分析しても意味がありません。公開後すぐに、次の設定を確認しましょう。
- キーイベントの確認: 問い合わせフォームを、自分で送信してみて、キーイベントとして記録されるかを確認します。
- 社内アクセスの除外: 関係者のアクセスが含まれると、数字が正確でなくなります。GA4では、IPアドレスによる除外フィルタを設定できます。
- データ保持期間の変更: GA4では、探索レポートで使う詳細なデータの保持期間が、初期設定で2か月です。最大14か月まで延ばせますが、変更前のデータは遡れません。標準レポートの集計データは、この設定の影響を受けません。
- Search Consoleとの連携: 検索での見え方と、サイト内の行動を、あわせて確認できるようにします。
月1回の見方:3つの問いで確認する
数字を見るときは、次の3つの問いに答える形で整理すると、次の行動につなげやすくなります。以下は、架空の例です。
問い1:検索で、見つけてもらえているか(集客)
Search Consoleで、ページ別の表示回数とクリック数を見ます。
- 表示回数は多いのに、クリックが少ないページ → タイトルや説明文が、検索した人の関心に合っていない可能性があります。
- 表示回数が少ないページ → 検索されている言葉と、ページの内容がずれていないか確認します。
問い2:来た人は、サイト内で動いているか(行動)
GA4で、ページ別のエンゲージメントを見ます。
- 入口になるページで、ほとんど読まれず帰られている → ページの冒頭で、期待に応えられていないかもしれません。
- スマホだけ、数字が悪い → 表示崩れや、文字の読みにくさを疑います。
問い3:成果につながっているか(成果)
キーイベントが、どのページを経由して起きているかを確認します。成果につながっているページが分かれば、そのページへの導線を強くする、といった改善ができます。
見方の注意点
- 比較する期間を揃える: 季節の影響があるため、前月だけでなく、前年の同じ時期とも比べましょう。
- 平均だけで判断しない: 流入元別、デバイス別、ページ別に分けて見ます。
- 改善は1つずつ: 複数を同時に変えると、どれが効いたか分からなくなります。
内製と外注の分け方
アクセス解析は、すべてを自社で行う必要はありません。次のような分け方が、現実的です。
- 自社で行う: 日常的な確認(月1回の数字のチェック、ヒートマップの確認)
- 専門家に依頼する: 計測の設計(キーイベントやタグの設定)、数字の読み解き、改善案の作成
とくに、計測の設定ミスは、後から気づきにくいものです。初期設定だけでも、専門家に確認してもらうと安心です。
まとめ
アクセス解析は、数字を集めること自体が目的ではありません。目的とゴールを決め、「集客・行動・成果」の3層で見て、改善につなげることが大切です。2026年は、AI検索の計測や、データの取り扱いにも注意が必要です。まずは、設定を見直し、月1回の確認から始めてみましょう。
「どの数字を見ればよいか分からない」「計測の設定が正しいか不安」という方は、ぜひご相談ください。