Lazy Load・srcset・CDNでさらに速く!
画像配信の最適化術
目次
なぜ「配信の最適化」が必要なのか
前回までの記事では、WebPやAVIFなど次世代フォーマットを活用した「画像の軽量化」について紹介しました。しかし、画像をいくら軽くしても、それだけでは十分とは言えません。
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ユーザーがWebサイトを訪れたとき、画像は「どの順番で」「どのサイズで」「どこから」配信されるかによって表示速度が変わります。
たとえば、ファーストビューに見えない画像まで最初から読み込んでしまったり、スマートフォンに大きすぎる画像を送っていたりすると、せっかく軽量化してもページ全体の表示が遅れてしまいます。
そこで効果を発揮するのが「配信の最適化」です。
Lazy Load・srcset・CDNといった技術を組み合わせることで、ユーザーが必要とする画像を効率的に届け、Core Web Vitalsの改善やSEO評価の向上につなげることができます。
Lazy Load(遅延読み込み)で不要な画像を後回しに
Lazy Load(レイジーロード)**とは、ユーザーが画面をスクロールして実際に必要になるまで、画像の読み込みを遅らせる仕組みです。
loading="lazy"
の基本的な使い方
HTMLのimg
タグに loading="lazy"
を追加するだけで、ファーストビューにない画像の読み込みを自動的に後回しにできます。
<img src="sample.jpg" alt="サンプル画像" loading="lazy">
これにより、初回表示時に読み込むデータ量が減り、体感速度が大きく改善されます。
ファーストビューは除外して!
ただし、画面に最初から表示される画像まで遅延させると「表示が遅い」と感じさせてしまうため注意が必要です。
Lazy Loadは「ファーストビュー以外の画像」に絞って適用するのが効果的です。
レスポンシブ画像(srcset・sizes)で最適サイズを自動配信
次に重要なのが「ユーザーの端末に合わせたサイズの画像を配信すること」です。
スマートフォンにPC用の大きな画像を送ってしまうと、無駄に容量を消費してしまいます。
高解像度端末への対応
最近のスマートフォンは高解像度化が進んでいるため、通常の1倍サイズだけでは画像がぼやけて見えることがあります。srcset
を使えば、端末の解像度に応じて最適な画像を自動的に選択してくれます。
スマホとPCで異なるサイズを自動切替
以下のように記述することで、スマホには小さい画像、PCには大きい画像を配信できます。
<img src="sample-800.jpg"
srcset="sample-400.jpg 400w, sample-800.jpg 800w, sample-1200.jpg 1200w"
sizes="(max-width: 600px) 400px, (max-width: 1024px) 800px, 1200px"
alt="レスポンシブ画像例">
この仕組みを導入するだけで、ユーザーの環境に最適化された画像が配信され、表示速度と画質を両立できます。
CDNを活用した高速配信
軽量化・Lazy Load・レスポンシブ対応をしても、サーバーからの距離によって配信が遅れることがあります。
そこで役立つのが CDN(コンテンツデリバリーネットワーク) です。
CDNで画像をキャッシュする仕組み
CDNは世界中に分散されたサーバーに画像をキャッシュし、ユーザーの近くのサーバーから配信する仕組みです。
これにより、海外からアクセスしても表示が速くなります。
代表的なサービス
- Cloudflare(無料プランあり、導入が簡単)
- ImageKit(画像の自動変換や最適化機能も搭載)
- Fastly(大規模サイト向けで柔軟なカスタマイズが可能)
まとめ
これまで紹介してきたように、画像は「軽くする」だけでなく「効率よく届ける」ことが重要です。
- Lazy Loadで不要な画像の読み込みを後回しに
- srcset・sizesで端末ごとに最適なサイズを配信
- CDNで世界中どこからでも高速表示
これらを組み合わせることで、Core Web Vitalsの改善やSEO評価アップはもちろん、ユーザー体験そのものを大きく向上させられます。
画像最適化の最終ゴールは「軽く、美しく、速いサイト」。そのために、今後はフォーマット選びと同じくらい「配信の最適化」が欠かせない要素となるでしょう。