「なんか垢抜けない」デザインに
共通する6つの設計ミスとは
目次
「頑張って作ったのに、なんか素人っぽい」「参考サイトを真似たはずなのに、雰囲気が全然違う」——ホームページを自分で作ったり、スタッフが更新を重ねたりするうちに、こういった違和感を覚えることがあります。
デザインの完成度を左右しているのは、センスではありません。
余白・文字サイズ・フォント・配色・情報の整理といった「設計のルール」が整っているかどうかです。
今回は、「垢抜けないサイト」に共通する6つの設計ミスと、それぞれの改善の考え方をまとめました。自社サイトを見直すチェックリストとしても活用してみてください!
「素人っぽさ」の正体は、設計の乱れにある
見た目をおしゃれにしようと装飾を足したり、参考サイトのビジュアルを真似したりしても、なぜか同じ雰囲気にならない——。
その原因の多くは、表面的な装飾ではなく「見えない設計部分」にあります。余白の取り方、情報の優先順位、文字サイズの強弱。これらの内部ルールが乱れていると、いくらビジュアルを整えても、どこかチグハグな印象が残ります。
ページごとに見出しサイズが違ったり、ボタンの形がバラバラだったり、セクションの余白にルールがなかったりすると、ユーザーは無意識のうちに「なんか雑なサイト」と感じてしまいます。
完成度の高いデザインに共通しているのは、奇抜な表現よりも「ブレない設計」が徹底されていることです。
① 余白がバラバラで、情報が整理されていない
余白は「空きスペース」ではなく「情報の仕切り」
余白は単なるスペースではなく、情報をグループ分けして読みやすくするための設計要素です。余白の使い方ひとつで、サイトの印象は大きく変わります。
たとえば、関連性の高い情報同士は余白を狭くして「近づける」、関連性の低い情報は余白を広くして「遠ざける」。このルールを守るだけで、線や囲みを使わなくても情報が自然にグループ化され、読み手に伝わりやすくなります。
セクション間の余白だけ極端に広い、見出し下の余白がページごとに違う、ボタン内が窮屈——こうした小さなズレが積み重なると、画面全体が不安定に見えてしまいます。改善の基本は「同じ役割の要素には、同じ余白を適用する」こと。これだけでデザインに秩序と安定感が生まれます。
余白に迷ったら「8の倍数ルール」を使う
「余白をどれくらい取ればいいかわからない」という場合に使いやすいのが、8の倍数ルールです。余白の値を8px・16px・24px・32px・48px・64px……と、8の倍数で統一する考え方で、UIデザインの現場で広く使われています。
8の倍数に揃えると、要素間のバランスが自然と整い、「なんとなくガタガタして見える」という状態が解消されやすくなります。たとえば、ボタンの上下の余白を16px、セクション間を64px、コンテンツ内の要素間を24pxといった形で体系的に設計できるため、修正や追加が発生したときも判断に迷いません。細かい調整をゼロから考えるより、このルールを基準にした方がデザイン全体に一貫性が生まれます。
すべての余白を8の倍数にする必要はありませんが、「迷ったときは8の倍数から選ぶ」という基準を持っておくだけで、デザインの統一感が格段に保ちやすくなります。
余白の広さは「サイトの雰囲気」を作る
余白の使い方は、情報整理だけでなくサイトの印象コントロールにも使えます。高級感・落ち着きを出したいなら余白を広めに取り、にぎやかさ・インパクトを出したいなら余白を狭くする。自社のブランドイメージに合わせた余白設計ができているかも確認してみましょう。
② 文字サイズと行間のルールが統一されていない
見出しと本文のサイズ差(ジャンプ率)を意識する
文字の読みやすさに大きく影響するのが「ジャンプ率」、つまり見出しと本文のサイズ差です。
たとえば見出しを32px・本文を16pxのように2倍程度の差をつけると、ユーザーはパッと見ただけで情報の優先順位を瞬時に理解できます。
逆に、すべての文字が似たようなサイズだったり、ページごとにサイズルールがバラバラだったりすると、「どこから読めばいいかわからない」という迷いが生まれます。
行間・文字間も「詰めすぎ」はNG
読みにくさのもうひとつの原因が、行間と文字間の設定です。
行間(line-height)は文字サイズの1.5〜2倍、文字間(letter-spacing)は文字サイズの5〜10%が読みやすいとされています。詰めすぎると圧迫感が出て読む気が失せ、広すぎると文章のまとまりがわかりにくくなります。
おしゃれなフォントを探す前に、まずこの「文字サイズの階層」と「行間のルール」を整えることが先決です。
③ フォントが統一されていない、または個性が強すぎる
フォントはデザインの印象を大きく左右する要素です。ページによってフォントが違ったり、見出しと本文で3種類以上のフォントが混在していたりすると、統一感が崩れます。
特に日本語サイトで起きやすいのが、装飾的なフォントを使いすぎてしまうケースです。個性的なフォントは雰囲気は出るものの、読みやすさを損なうことがあります。本文には読みやすさを最優先にしたゴシック体や明朝体を選び、デザインのアクセントとして使うフォントは1種類に限定するのが基本です。
使用するフォントは原則2種類まで。見出し用と本文用を決めて、全ページで統一しましょう。
④ 色とボタンに優先順位がない
使う色は「3系統」に絞る
色の数が増えるほど、全体のコントロールは難しくなります。強い色を複数同時に使ったり、セクションごとにメインカラーが変わったりすると、サイト全体のまとまりが崩れます。デザインを安定させる基本は、色を3系統に絞ることです。
- メインカラー:サイトの印象を決めるベースの色
- サブカラー:メインを補佐する色
- アクセントカラー:ボタンや重要箇所など、ここぞという場面だけで使う色
魅力的なサイトを作ろうとすると「使える色を増やす」方向に意識が向きがちですが、本当に重要なのは「使わない色を決める」こと。引き算の意識が、サイトの洗練度を高めます。
一番重要なボタン(CTA)だけを目立たせる
問い合わせ・予約など、ユーザーに次のアクションを起こしてもらうためのボタンがCTA(行動導線)です。よくある失敗は、すべてのボタンを同じ強さでデザインしてしまい、肝心のCTAが埋もれてしまうことです。
「最も重要なボタンだけを圧倒的に目立たせる」という視点で設計することが大切です。それ以外のリンクはあえてトーンを抑えて脇役に徹してもらう。このメリハリがあってはじめて、CTAはユーザーの視線をゴールへと導けます。
⑤ 画像のトンマナがバラバラで、情報が詰め込まれている
画像の雰囲気(トンマナ)を統一する
ある場所では明るい手描き風イラスト、別の場所ではカチッとしたビジネス写真——画像の雰囲気がバラバラなサイトは、それだけで統一感が崩れます。「トンマナ(トーン&マナー)」とはデザイン全体の雰囲気・世界観を統一するための考え方です。
写真を選ぶときは「同じ色温度・同じ雰囲気の画像で揃える」ことを意識しましょう。また、写真のトリミングにも注意が必要です。被写体をギリギリまで切り取ると圧迫感が出るため、適度な余白を残した構図にすることで、落ち着いた洗練された印象になります。
1セクション・1メッセージを徹底する
「あれもこれも伝えたい」という気持ちから情報を詰め込みすぎると、ユーザーは読む気をなくしてページを閉じてしまいます。設計の段階で「このセクションでは何を伝えるか」を1つに絞り込んでおくことが重要です。魅力的な要素をたくさん並べることより、本当に伝えたいこと以外を「削る」こと。この引き算の作業こそが、ユーザーの心を動かすデザイン設計の核心です。
⑥ 部分だけ修正して、全体を確認していない
「このボタンを変えよう」「この見出しをおしゃれにしよう」と目先のパーツばかりを修正していませんか。デザイン改善で最も陥りやすいのが、この「部分最適」の罠です。
どれだけひとつのパーツを作り込んでも、サイト全体のバランスが崩れていれば完成度は上がりません。文字サイズを少し大きくしただけでも、周囲の余白が窮屈に見えたり、情報の優先順位が変わったりすることがあります。要素はすべてパズルのように絡み合っています。
細部を修正するときほど「これは全体のルールに馴染んでいるか」を意識して、一歩引いてページ全体を俯瞰で確認する習慣をつけましょう。
公開前・更新前に確認したいデザインチェックリスト
デザインのクオリティが上がらないと感じたとき、新しい装飾を足す前にまず以下の項目を見直してみてください。
| チェック項目 | 確認のポイント |
| 余白のルール | 同じ役割の要素に同じ余白が使われているか |
| 文字サイズの階層 | 見出し・小見出し・本文で明確なサイズ差があるか |
| 行間・文字間 | 詰めすぎ・広すぎになっていないか(行間1.5〜2倍が目安) |
| フォントの統一 | 使用フォントは2種類以内に絞られているか |
| 色数 | メイン・サブ・アクセントの3系統に収まっているか |
| CTA(行動導線ボタン) | 最重要ボタンだけが圧倒的に目立っているか |
| 画像のトンマナ | 色温度・雰囲気・テイストがページ全体で揃っているか |
| 情報量 | 1セクションに伝えたいことが1つに絞られているか |
| 全体バランス | 修正後にページ全体を俯瞰で確認したか |
まとめ
「垢抜けないサイト」の原因は、センス不足ではなく設計ルールの乱れにあります。
大切なのは、新しい装飾を足すことではなく「不要なブレを減らす」こと。「なんか垢抜けない」と感じたときは、見た目を盛る前にまずサイト全体のルールを見直してみてください。細かい積み重ねが、サイト全体の印象を確実に変えていきます。