ユーザビリティとアクセシビリティの違いとは?
混同しやすいポイントを解説!
目次
「サイトをもっと使いやすくしたい」「アクセシビリティも意識したい」
打ち合わせでこんな話が出た時、実際に改善内容を考え始めると「これはユーザビリティの話なのか、それともアクセシビリティの話なのか」と迷った時はありませんか?どちらも“使いやすさ”に関わる言葉なので、混同してしまうのは自然なことです。
でも、この2つはちゃんと役割が違います。今回は、できるだけシンプルに整理してみようと思います。
1. まずはひとことで整理すると
- ユーザビリティ:想定しているユーザーが、目的をスムーズに達成できるか
- アクセシビリティ:誰であっても、その情報や機能を利用できる状態になっているか
たとえばお問い合わせフォームで考えると、わかりやすいと思います。
入力項目が少なく、迷わず送信できる。これはユーザビリティの話です。 キーボードだけで送信できたり、読み上げソフトでも入力欄の意味が伝わったりする。これはアクセシビリティの話になります。
見ている場所は違いますが、目指すゴールは同じで「利用者が困らずに目的を達成できるサイト」に近づくための考え方だと捉えてください。
2. ユーザビリティは「目的達成のしやすさ」
ユーザビリティは、サイトに来た人が自分の目的をどれだけスムーズに達成できるかを見る考え方です。企業サイトであれば、次のような場面が関係してきます。
- サービス内容をすぐ理解できるか
- 料金や事例など知りたい情報に迷わずたどり着けるか
- フォーム入力が面倒に感じないか
ポイントは「誰にとって使いやすいか」を意識することです。ITに詳しい担当者向けのサイトと、初めてサービスを比較検討する担当者向けのサイトでは、必要な情報量も導線も変わってきます。ターゲットやペルソナを具体的にイメージすることが、ユーザビリティ改善の第一歩です。
「このサイトを使う人は誰か」「その人は何をしたいのか」「それを邪魔しているものはないか」の3つを、まず自分に問いかけてみましょう。
3. アクセシビリティは「誰もが使える状態」
アクセシビリティは、年齢や障害の有無、利用環境にかかわらず、できるだけ多くの人が情報や機能を利用できるようにする考え方です。
想定する対象は、視覚障害のある方だけではありません。
- 高齢の方
- 一時的にけがをしている方
- スマホを片手で操作している方
- 屋外で画面が見えにくい状況の方
というように、実はかなり幅広い人が対象になります。「特別な人のための対応」ではなく、「誰にでも起こりうる“使いにくい状況”への対応」と考えると理解しやすいと思います。
代表的な確認基準としては、W3Cの「WCAG」や、日本の「JIS X 8341-3」があります。最初から細かい基準を覚える必要はなく、まずは次の4つの原則を押さえておけば十分です。
| 原則 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|
| 知覚可能 | 情報を認識できる | 画像に代替テキストを入れる |
| 操作可能 | 誰でも操作できる | キーボードだけで操作できる |
| 理解可能 | 内容や操作方法がわかる | エラー内容を具体的に伝える |
4. よくある場面での違い
具体的な要素ごとに見ていくと、イメージがつかみやすくなります。
フォーム
- ユーザビリティ:入力項目を減らし、短時間で送信できるようにする
- アクセシビリティ:ラベルを正しく関連付け、エラーを色だけでなく文章でも伝える
ナビゲーション
- ユーザビリティ:メニュー名を内容が想像しやすい言葉にする
- アクセシビリティ:キーボードだけでメニューを開閉できるようにする
ボタン・リンク
- ユーザビリティ:「送信」より「無料相談を申し込む」など行動がわかる文言にする
- アクセシビリティ:「こちら」だけでなく、リンク先の内容が伝わる文言にする
画像・動画
- ユーザビリティ:図解で複雑な内容を短時間で理解できるようにする
- アクセシビリティ:代替テキストや字幕で、画像・音声を使えない人にも伝える
改善案を考えるとき「これは特定の人だけの話では?」と思ったら、一度立ち止まってみましょう。文字と背景のコントラストを上げる、リンク文言をわかりやすくする、といった対応は、実は多くのユーザーにとって使いやすさの向上にもつながります。
5. 自社サイトを見直すなら、まずこの3つから
すべてを一度に完璧にしようとすると大変なので、優先度の高いページから見ていくのがおすすめです。
- お問い合わせ・資料請求フォーム:入力項目の数、エラー表示のわかりやすさ
- 主要な導線(メニュー・ボタン):文言だけで内容がわかるか
- 文字・色のコントラスト:薄いグレー文字や色だけの情報伝達になっていないか
この3つは、ユーザビリティとアクセシビリティの両方に関わる部分で、かつ問い合わせ数や離脱率に直結しやすい箇所でもあります。
まとめ
ユーザビリティは「目的達成のしやすさ」、アクセシビリティは「利用できる状態を確保すること」。この2つは見ている観点は違うものの、目指すゴールは同じです。
完全に切り分けて考えるより、「まず誰かが使えない状態になっていないか」を確認し、そのうえで「想定しているユーザーがより迷わず使えるか」を整えていく、という順番で考えると、日々の更新の中でも取り入れやすくなると思います。
自社サイトの改善やリニューアルをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。